観てきました。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』です。
何て言えば良いのか、心と記憶を揺さぶられた気分です。
今年一番の映画を観たわー♪と思いましたよ。
映画そのものの内容については、他に詳しいブログやサイトがたくさんあるので、ここではちょっと別の理由で『映画ボヘミアン・ラプソディは今見るべき』という話しをしたいなと思いました。
同じように昭和生まれで80年代の洋楽ド真ん中だった人ならきっと「あ~・・・」と共感してくれるはず(´-`)ノ
もともとあまり観たいと思わなかったその理由
実はこの映画、公開前からどうも観る気がしなかったんですね。
その理由は3つ。
- 個人的に今最も気になる俳優である、ラミ・マレックが主役だったから。
- 当時の海外アーティストにありがちだった黒い噂話し、金・ドラッグ・ゲイ・差別など辛い事実が出てくることが予想できたから。
- エイズが原因で亡くなった当時のことを知っていたから。
ところが、急にオットが「なんだか評判が良いみたいだから観に行こう」と言うので、それほど期待もせず行ってみることにしました。
そしたらば、オープニングのライブ・エイドのステージへあがるシーンからもう釘付けになりました。映画が終わってほしくなかったしずっと観ていたかったです。
ライブ・エイドとバンド・エイド
この映画のオープニングとエンディングにライブ・エイドという世界的に有名なチャリティーコンサートの様子が出てきます。
これは冷静に観たら、とんでもなくスゴイ状況ですよ。1985年当時にこれだけの大規模なことを音楽アーティストとその関係者がやってのけるって一体どんな時代だったんだ?と、映画を観た人はみんな思ったはず。
ところで、わたしは映画を観終わって家に帰るまで、ひとつまるっと勘違いしていたことに気が付きましたよ。
それはライブ・エイドをバンド・エイドと勘違いしていたのです。
この時代に世界中が感動した一連のチャリティーブームがあって、当時の記憶がごちゃ混ぜになっていたようです。
順番は、英スーパースターが集まって結成されたチャリティプロジェクトのバンド・エイドに始まり、そのアメリカ版がUSAフォー・アフリカ、そして20世紀最大のチャリティコンサートといわれるライブ・エイドに繋がります。
この一連の発端は何なんだ?と思った方はライブ・エイドで検索してみてください。
アフリカ難民救済のために始まったなど、たくさん出てきます。
(わたしにはとても説明しきれません。。。ただの地方の中学生でしたから)
その、バンド・エイドの「ドウ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」は当時ほんとうによく聞きましたね~。今聞いてもとてもとても良い曲です。
↓↓バンド・エイド「ドウ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」の動画-YouTube-
この曲の終わりの方、『♪キンコンカンコン♪・・・』というチャイムが鳴る場面は、当時中学生だったわたしの記憶の中に心地良いフレーズとして残っていますね。
ちなみにわたしが80年代に好きで繰り返しアルバムを聞いていたアーティストは、
- デュランデュラン
- ワム!
- アーハ
- ヴァン・ヘイレン
- ボンジョヴィ
- デッド・オア・アライブ
とにかく、豊作過ぎですこの時代。
リストにするだけで思わずニヤニヤしてしまいますねー( *˙-˙* )
歌はうまいし美しいアーティストが多かったし、夢中になって聞いていましたよ。
「ウィ・アー・ザ・ワールド」が歌える?
バンド・エイドの次にUSAフォー・アフリカの「ウィ・アー・ザ・ワールド」が来ました。わたしは当時クラスで仮装してひな壇に並び合唱した記憶がありますよ。
一番背が高いという理由だけでライオネル・リッチーの仮装をしたクラスメイトがいたり、マイケル・ジャクソンに至ってはもはや誰だかわからない姿だったような(^^;
とにかく、クチパクではなく歌詞を覚えてみんなで歌って盛り上がったことは間違いないです。
この曲も何度も聞いたし、誰でも歌うことができる良い曲でしたね。
↓↓USAフォー・アフリカ「ウィ・アー・ザ・ワールド」の動画-YouTube-
ソロの歌声を聞きつつ、若かりし頃のアーティストの名前やグループ名がすべて答えられたらすごいですヽ(・ω・)/
ライブ・エイドの噂
そして1985年7月13日あのライブ・エイドが開催されました。
通信衛星を14台使用し世界84カ国で生中継を行い録画放送まで入れると140カ国以上、20億人?!がこれを現地やテレビで体験したことになります。
イギリスとアメリカで二元同時中継を行い、総開催時間は12時間という長さ。
イギリスステージはロンドンのウェンブリー・スタジアムに8万人、アメリカステージはフィラデルフィアのJ.F.K.スタジアムに10万人。。。( 'ω')?!
その他日本を含め、各国・各地にサテライトスタジオもできました。
要するに、想像を絶するとんでもないチャリティイベントだったわけです。
ところが、日本ではそれほど・・・?
昭和の過去の歴史映像や時事・芸能などを振り返るようなTV番組にも、ほぼほぼ紹介されることが無いです。それは何故か?
これは個人的意見ですけど、その理由のひとつに言えることは、欧米人に浸透している「チャリティー」の意味合いが日本ではちょっと理解が難しいというか考え方にズレがあるから。そして今でも欧米のそれに慣れないまま現在に至っているのではないかと。
宗教と文化の違いと言ってしまえばそれまでなのですよ。
欧米人は一般的に富める人が貧しい人を支援するのは当たり前のこと、事業で大成功したり有名になってお金持ちになったら国内外を問わず寄付や慈善活動をするのが一般的で、しかも自分の名前と金額までも公表してする。
そして何か支援活動をした分必ず良いことが帰ってくるからやる、という考えも普通。
日本では、どうでしょう?
良い活動をする、良い行いをしたいという思いは同じです。
別に誰かを批判するつもりはありません絶対に。ただ、「チャリティー」についてとらえ方が違うのと、その習慣があまり浸透していないというだけのことだと思います。
日本でも、災害などがあったときには多額の寄付やボランティアが集まります。だから全く無いわけではないのですが、しいて言うならあまり長くは続かないのと、この集まった寄付金はちゃんと届いているの?と疑うような場面が多かったり、本当の目的は何だった?と言いたくなるような企画を変わらず毎年続けてみたり、被災地の力になりたいからと参加したボランティアのために現地では余分に物資を準備しなくてはならなかったりと、なんとなくうまくいっていないような気もします。
しかし、これもあと何年かしてわたしの世代くらいまでの人がいなくなれば、その考え方や文化、政治にしても日本の良い部分を残しつつ、世界基準を取り入れた変革・進化があるのではないかと。(^^;
とは言え、ライブ・エイドで集まった寄付金や物資が全て無事にアフリカ難民救済に届けられたのかと言うとそうではなく、金銭がらみの問題なども起きたようです。
ちなみに、募金総額は280億円集まったのだそうです。
うち、日本からは3億円(^^;;
理由は日本でのテレビ局による放送と企画に問題があったからと言われています。
これにはかなり残念な悪評がありますけどね。
確かに、当時わたしもちゃんとテレビで観た記憶が無いんですよねー。
夜中は眠っているし、昼間は学校へ行っていたからかもしれませんが。
ちなみに、この年の夏にTシャツプレゼントが欲しくて地元のラジオ番組にハガキを出したら、デッド・オア・アライブのピート・バーンズの美しい顔がプリントされたロックなTシャツが見事当たりまして、嬉しげに夏中着ておりました。( *˙-˙* )ロックです
とにかく、映画を見終わってオットが言っていたのですが、
「こんなことができた時代だったんだよなー」
ほんとそれです。
ラミ・マレックって知ってる?
ところで、以前にも書いたことがあるのですが、わたしは海外ドラマが好きでよく観ているのですが、3年前くらいに初めて日本で放送開始になった『Mr.ROBOT』という海外ドラマがありまして、人によっては好き嫌いが激しく分かれるタイプのドラマなのですが、わたしはすっかりハマってしまいましたよ。
このドラマの主人公が、ラミ・マレックです。
社交不安障害を患う若いエンジニアの主人公エリオット(ラミ・マレック)が実は天才的なハッカーという設定で、天才で物静かで見た目は小柄でか細い身体に常に無表情、ギョロっと大きくて寂しげな瞳がとても印象的な顔立ちで見事なハマリ役なんです。
ちなみに、わたしはこのドラマを見た日から、自分のノートPCのカメラレンズにシールを貼りました・・・(^^;ナニソレ目隠し
海外ドラマ『Mr.ROBOT』も観てみてください、是非。現在Season3まであります。
↓↓AXN Japan-MR.ROBOT- Webサイト-
↓↓AXN Japan-MR.ROBOT Season-1の動画-YouTube-
物静かで小柄なエリオット役から、超パワフルな声量でぶっ飛びファッションのフレディ・マーキュリー役へ・・・全然違う人になるわけですよ。
それにこの手の伝記映画でビッグアーティストの物語は、結局イマイチな仕上がりになる場合が多いし、特に自分が好きだったアーティストの場合、それを誰が演じるにしてもあまり観たくないというか・・・(^^;イメージなんかもありますからね。
もともとあまりこの映画を観たくないかなと思った理由の一つです。
ところが、そんな心配は全くありませんでしたね。良い意味で裏切られた感じです。
ラミ・マレックはフレディ・マーキュリーでした!
というかそれ以上の完成度だったと思います。(わたしに言われたくはないと思いますけど(^^;)
彼は、完全にエリオットではなくなっていましたね。所作、表情や眼差し、体型までも全く変わっていましたよ、驚きです。
ハリウッドの役者さんってほんとにスゴイですね。
ちなみに、オットは当時クイーンのギター、ブライアン・メイのファンだったらしく、この映画のラストシーンでは勝手に涙が溢れ男泣きしておりました。
もう、フレディなのかラミなのか、どっちどっち?( 'ω')?です。
まとめ
いろいろ書きましたが、まとめると
80年代に世界中が感動した一連のチャリティーブームがあって、そもそもの発端はアイルランドのミュージシャン、ボブ・ゲルドフがエチオピア難民の惨状を見てショックを受け自分にできることを考えたことに始まって、「ドウ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」という名曲が完成し、ミュージシャンに呼びかけてバンド・エイドとなり、それに続いてUSAフォー・アフリカになった。
そしてそれが「1億人の飢餓を救う」というスローガンのもと、20世紀最大のチャリティーコンサートと言われたライブ・エイドへ続く道になったこと。
日本ではゴニョゴニョ問題(^^;もあったけれど、こんなことがあったなということを懐かしんだり思い出したりするために、また若い人にも知ってもらいたいのと、これからの日本や世界の「チャリティー」について考えるきっかけにするためにも
是非、今観るべき映画です。『ボヘミアン・ラプソディ』
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。