前職は建築士で建築事務所に勤務していましたよ。
何年も続けているとあたりまえですが、いろいろな相談ごとを聞くようになったり、あらゆる問題に直面しながらたくさんの現場を見てきました。
新築した人や物件を購入したばかりの人、そして同業者ならきっとわかるはず。
わたしはエラくはないですが経験値だけはソコソコあります。
ある人のブログを読みました。
マイホームを購入する際に、住宅会社と契約書をかわすのだけれどその契約書の内容が注文者(施主)にとって不利な内容になってやしないのか不安だという問題。
これね、マイホーム購入時に限らず何でも『契約書』ってモノは、こ難しい文章になっていて誰でも不安になりますね。その気持ちよく分かります。
ひとつのやり方なんだと思うのですが、わたしがいた事務所では契約日に施主に対して工事請負契約書・重要事項説明書・設計契約書・見積書・図面・仕様書、とにかく全ての内容を細かく説明していましたよ。
契約条文からコンセントの個数までもぜーんぶです。
時間にしたら昼間一日はかかっていたと思う。
まず、契約日の数日前に契約書書類を一旦、施主に預けて目を通してもらっていました。
施主にしてみれば何やらややこしい文章が並びますが、これから自分がかわす契約書です。
金額も大きいし、だからちょっと頑張って読んでもらいたい、そして引っかかる言葉や条文があったら当日正直に言ってもらいたいと伝えていましたよ。
そう言うと、みなさん頑張って読んでくださって当日は質問したいことを準備して会ってくれていましたね。
そのかいもあり、初めからこちらに疑いを持たれるとか信頼関係が薄いとか、そんなような心配は無くて楽しく工事が始まっていましたよ。
だって、どう考えても請負者と注文者では、請負者のほうが情報も知識も多いのだから弱者か強者でわけるなら、注文者のほうが弱者になると思うのですね。不安になるのは当たり前です。
それに、わたしが注文者だったら(けっこうこまかい性分なので)十分な説明を聞きたいし、設計者としては注文者に納得してもらいたかった。
当日、「そこ?!」( ゚Д゚)というような、オドロキの質問をされることも無くはなかったのですが、モヤモヤしたまま始めるのは何も良いことはないんです。
ただ、このやり方が本当に正解かどうかはわかりませんよ。
もっと違う方法もあるかもしれないし、いずれにしてもこの方法だと施行者側も注文者側にも、ある程度の労力と時間が必要になりますから、「めんどくさい」と思うかもしれません。
「めんどくさい」・・・確かにそうなんですよね、この辺は信頼だったり精神的な面も関係してきますし、なかなか合理的にパッパとはいけないんですよね。
しかし、嬉しいことに最近では強い味方、大変頼りになるGoogleさまがいらっしゃる。しかも、誰でも・無料で・いつでも・あらゆることを検索し知ることができる。
ちょっと調べれば、たくさんの情報を見ることができますね。大変便利な世の中です。
「工事請負契約」とか「契約書」などで検索するだけで、弁護士さんが書いたブログなどが見つかり細かい説明を読むこともできます。
ところで、思うに契約書や保険の約款など、そして法律、建築基準法や民法、これらはとにかく文章がとっても読みづらいし理解しづらい。
わざと?( ゚Д゚)、と言いたくなる。
もうね、学校の授業にちょっとだけでも入れたほうが良いのではないかと思う。
それともう一つ、投資と簿記の授業も。
「生活上の法律の基礎の基礎」と「投資と簿記の基礎の基礎」
一般科目よりも楽しいかも?どちらもお金に関する話しだし、将来必ず役に立つ。
特に最近はフリーランスだったり個人事業主が増えているのを見ると、業務委託契約などを交わす場面や複式簿記で確定申告、さらに自己資金をどのように投資し運用するかなど必要な場面は多い。
法律にしても簿記にしても投資にしても、面倒だし難しそうだわ~というイメージしかない。
子供のころからこのような生活上の法律やお金の知識は、ある一定程度は持つべきだと思うし、何よりこういう授業があれば子供たちも楽しのではないかな。
話しがとっちらかってきましたので、まとめてみようと思います。
法律上、建設工事請負契約書は重要事項説明の義務はありません。
記載する内容については建設業法で決まっています。
しかし、建築士法では設計・工事監理については建築士に重要事項説明の義務があります。
そして、建売物件を購入する場合には、契約前に不動産屋さんに重要事項説明の義務がありまして、これは宅地建物取引業法で決まっています。
・・・ね?(*_*)これだけでも、ワケが分かりませんね。
何が言いたいのかというと、ただでさえ分かりにくい部分が多い契約の場面においては、お互いに配慮して説明したり調べたり質問したりする手間と時間を設けるべきと思うのですよ。
お互いが配慮して協力するのですね。
めんどくさがらずに、ぜひお願いします。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。