「お好み」って言うんです。
お好み焼きのことですよ。
鉄板で食べることがほとんどです。
猫舌であっても、気温35℃超えの真夏日でも、鉄板が好きなんです。
ヘラを使って美味しく食べるのがふつうです。
もちろんお箸を使ってもOKなのですよ。
ただし、その場合には小皿を使います。
お箸で鉄板から直接口へ運ぶことはしません。
見た目も美しくありませんね。
ヘラを使うと食べ終わった後の鉄板が、大変美しい。
食べ終わった後の鉄板が美しいのは、
「おいしかったですよ」のサイン。
店の人も嬉しいし、片づけるのに手間がかかりません。
焼きあがった、まあるいお好みを、鉄板職人が自分の側へ置いてくれます。
すぐさまヘラで切りつけようとしたら、フライングすることがありますよ。
お店によっては、職人の配慮で「あおのりかけますか?」と聞かれます。
わたしもたまに、あおのりもソースもまだなのに、フライングして恥ずかしい目にあうことがあります。気を付けてください。
上の絵は、右利きの人の美しい食べ方です。
ヘラを使って番号順にカットし、ヘラの角(カド)、この「ひとくちエリア」にすくって(乗せて)いただきます。
すくうときのポイントは、鉄板に残っているお好み本体に当ててすくう。
本体=大きい方に、ひとくちを当ててすくう・・・当てて。
この時、左腕はカウンターにしっかりと据えて、できるだけ前のめりに。
鉄板に上半身を乗り出すようにして、右手は力を込めてヘラで一発!カットします。
中途半端に手先だけでカットしようとしても、うまく切れませんよ。
お好みは何重にも層になっているので、ヘラはしっかり力を入れなければ、美しい切り口にはなりません。
ギコギコすると具があっという間に散らばります。
美しくありません。
そして必ず、ひとくちで食べきれるサイズまでカットすることが重要です。
基本的に、ヘラの上で噛み切って食べるようなことはしません。
ヘラの上はひとくちエリアです。
なぜなら、お好みはミルフィーユ状態ですので、ヘラのようなちいさな平面で噛み切ったりすると、空中分解してしまい、鉄板やテーブルがすぐに散らかってしまいます。
美しくありません。
最後のひとくちです。
もう残る本体がありませんから、当てるところがありませんね。
まさか左手を使うなんてことはしませんよ。美しくありませんから。
上の絵の通り、鉄板の手前のふち(へり)を利用しますよ。
ふちの段差に、思い切って当ててすくいあげます。
すると、大変美しく食べ終えることができます。
鉄板のふち(へり)は上の絵のとおり、段差が付いているものがほとんどなのですが、まれに、スロープ形状になっている場合があります。
この時は、最後のひとくちが逃げやすいので、注意が必要です。
なんとか、頑張ってみましょう。
ヘラについて最近、口の小さなお子様やお嬢様用に、かなり幅の狭いタイプのものを出されるお店もあります。
これ、幅が狭いだけではなく、角がアールになっておりまして、怪我をしないようになっているのですが、これが見た目通りなんせ切れません。
わたしは「とがったやつに替えてください」とお願いするのですが、やっぱりお店の人の配慮なので、ちょっと言いにくいこともあります。
『女子だから、気遣ってくれたんだワ』
仕方が無いので、頑張って美味しく食べますけどね。
小皿とお箸を使わずに、テーブルや鉄板も美しく、そしてなによりアツアツを美味しく、楽しく食べてもらいたいです。
引っ越したから、なかなか食べられなくなってしまったから、とうとう夢にまで見るようになってしまったので、ここに書きました。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。